バイクに乗らない方から「涼しそうでいいね!」なんて言われること、よくありますよね。確かに気持ちいい瞬間もありますが、実際のところ夏は地獄です。30度を超える走行風に加え、エンジンから立ち上る熱気熱気を浴び続ければ、体力は一気に奪われ、命の危険すら感じるほど。
そんな過酷な季節もようやく落ち着き、本格的なバイクシーズンがやってきました。さて、みなさんはこの秋どこへ出かけますか?
この時期に走りたい場所といえば、やっぱり山。紅葉シーズンはもちろん最高ですが、寒暖差がありすぎるのが難点。その点、9月後半ぐらいまでなら比較的軽装で楽しめるのが魅力です。
愛妻の丘で癒やされる 碓氷峠〜嬬恋パノラマラインツーリングコース
最初にご紹介するのは、ドゥカティ・モンスターに乗る女性ライダーのしーまんさん。ソリッドイエローの車体とVツインサウンドが、とてもよく似合っています。彼女が走ったのは、関越道・上里PAを出発し、横川〜碓氷峠〜嬬恋へと抜けるルート。私自身も年に一度は必ず走る、大好きなコースです。
碓氷峠といえば走り屋の聖地として有名ですが、日中は意外と落ち着いており、安心して楽しめます。ただしブラインドコーナーが続く本格的なワインディングなので、バイクを操る楽しさは存分に味わえるはず。途中の眼鏡橋は絶好の休憩スポットなので、立ち寄りもおすすめです。
軽井沢から嬬恋へ向かう道は、森林地帯からキャベツ畑へと風景が移り変わり、とにかく爽快。ぜひ動画のように、よく晴れた日に走ってみてください。
折り返し地点は「愛妻の丘」。ただの高原の公園…と言ってしまえばそれまでですが、この何もなさが妙に心地よく癒されます。「愛妻」という名前に気後れする必要はありません。独身男性が訪れても、十分楽しめる場所です。平日の午前中なら、観光客もほとんどいない静かな時間を過ごせるでしょう。
長野・群馬ツーリングの醍醐味は、まだまだ先にあります。
日帰りなら、しーまんさんのルートは長すぎず短すぎず、ちょうど良い距離感です。けれど、もし宿泊が可能なら、さらに足を伸ばして志賀草津高原道路を走ってみてください。
愛妻の丘は「つまごいパノラマライン北ルート」の入り口付近にあります。せっかく訪れたなら、北ルートを全線走破するのもおすすめです。北コースは途中から雰囲気が変わり、雄大な山あいの景色とよく整備された道路が続き、まさにツーリングの醍醐味を味わえるでしょう。ルートの終点から草津温泉までは目と鼻の先。次の動画は、その草津温泉から始まります。

草津から白根山・志賀高原へ 天空の絶景ロード
こつぶさんはCBR250RRで日本一周を2度走破し、最近ではハイエースにモンキーを積んで全国を旅するなど、とてもアクティブな女性ライダーです。このコースは以前の日本一周の旅の際にも訪れているようですが、今回の愛車はモンキー(88改)。小排気量ならではの楽しみ方で挑まれています。
走り出してすぐに高原らしい景色が広がりますが、それも束の間、次第に植生の少ない岩肌に覆われた世界へ。ここは白根山という活火山のエリアで、至る所に火山性ガスが噴き出し、独特の風景を作り出しています。かつては山頂へ登れたそうですが、現在は危険区域のため立ち入り不可。ライダーも足早に通り過ぎるしかありません。
やがて到着するのは、国道の最高地点(標高2,172m)。我々ライダーにとって「高い場所」はやはり特別です。ただし駐車スペースは限られているので、混雑期は注意が必要です。
さらに進めば、県境にある名物・渋峠ホテルを経由し、長野側の高原ルートへ。番号の振られたカーブをカウントダウンしながら下っていくと、湯田中温泉に辿り着きます。
MotoPickからの補足ルート
2025年9月21日現在、草津白根山周辺は火山活動の影響で通行止めとなっています。そのため、このルートをそのまま走ることはできません。
そこでMotoPickとしておすすめしたいのが、愛妻の丘から万座温泉を経由し、国道最高地点に合流するルート。通行止め区間を避けながらも、2,000m級の高原道路と渋峠の雰囲気をしっかり楽しめます。
さらに時間に余裕があれば、途中で毛無峠に立ち寄るのもおすすめ。荒涼とした鉱山跡と「秘境グンマー帝国」の看板は、ここでしか味わえないシュールな魅力です。
※志賀草津道路(国道292号)は、火山活動などの影響で通行規制が変更される場合があります。お出かけの際は、最新の情報をご確認ください。
→国道292号(志賀草津道路)の通行規制について – 群馬県ホームページ(道路管理課)
※万座ハイウェーは有料道路で、排気量125cc以下の二輪車は通行不可となりますのでご注意ください。

王道の高原道 ビーナスライン
ここまで群馬・長野の山岳ルートを2本ご紹介しましたが、最後に取り上げるのはライダー憧れの王道コース。
やはり外せないのが「ビーナスライン」です。信州には数多くのツーリングロードがありますが、その中でも特別な存在。なぜここまで支持されるのかは、実際に走った動画を見れば一目瞭然でしょう。
YouTubeにはビーナスラインを走る動画が数え切れないほどあります。前出のしーまんさん、こつぶさんも実際に走行シーンを公開しており、どちらも素晴らしい動画なのでぜひご覧ください。
ただビーナスラインは総距離70kmを超え、立ち寄りスポットも豊富。アクセスルートも複数あるため、初めて訪れる方は「どこをどう走るか」で迷ってしまうかもしれません。そこでおすすめしたいのが、解説の充実した次の2本です。
Travel Guide JAPAN さんはドライブ視点ではありますが、ビーナスライン沿いの立ち寄りスポットや周辺施設に焦点を当てて詳しく解説しています。観光地としての魅力を知るのに最適な動画で、初めてビーナスラインを計画する方には特に参考になるでしょう。
いちまる動画さんはライダー目線から、どの方角からアプローチすべきか、走行難易度によってどう選択が変わるかを解説しています。走行計画を立てる段階でとても参考になる実践的な内容です。
正直なところ、1日ですべてを回り切るのは難しい道のり。欲張るよりも「今日はこの区間だけ」と決めて走った方が満足度は高いかもしれません。
ちなみにMotoPickは、蓼科湖から入って美ヶ原まで一気に走り抜けてしまうこともあります。観光スポットに立ち寄るわけでもなく、ただ1時間ほどひたすら走るだけ。お世辞にもおすすめとは言えませんが、これはこれで不思議と気持ちがすっきりするんですよね。
Travel Guide JAPAN さんの走行ルート

まとめ 長野・群馬で走りたい3つのルート
碓氷峠〜愛妻の丘、志賀草津高原道路、そしてビーナスライン。どのルートも「景色を楽しむ」だけでなく「走ること自体の面白さ」をしっかり味わえる道です。首都圏からのアクセスも比較的良好でありながら、日本屈指のスケール感を体感できるのがこのエリアの魅力。次のツーリングの候補に、ぜひ加えてみてください。
なお、冒頭で「比較的軽装でも楽しめる」と触れましたが、高山地帯では想像以上に気温が下がることがあります。朝夕や天候によっても状況は大きく変わりますので、防寒具などの備えは忘れずに。
交通情報
首都圏から長野方面へのツーリングの場合、関越道か中央道かで迷う方も多いでしょう。週末や休日はどちらも渋滞必至(特に帰り道)ですが、MotoPickの感触では「まだ関越道の方がマシ」という印象です。
関越道は交通量が多いものの車線が広く、最悪の場合は下道に迂回する選択肢もあります。一方、中央道は逃げ道が国道20号しかなく、下道はさらに渋滞しがち。しかも山あいを延々と走るため景色的な変化も乏しく、精神的に消耗する場面も少なくありません。
そんな理由から、MotoPickは基本的に「関越道派」です。もちろん時間帯や出発地によって最適ルートは変わりますが、経験的には関越経由の方が楽に走れるケースが多いと感じています。


